愛知県豊田市、「とんちゃん気分や」で煙を浴びながら一杯。

こじんまりとした佇まいに、赤提灯の灯りがよく映える個人経営の小さな居酒屋。

店に足を踏み入れる前から、既に良い香りが辺りに立ち込めている。

とんちゃん気分やに暖簾はない。
敷居を跨ぐと「いらっしゃいませー!」と気持ちの良い声が響く。
若い女店主だ。

素朴な木目のテーブルに、背もたれのない丸椅子。
まるで屋台の一角だが、店内はよく掃除されており、照明も明るい。
卓上にメニューブックはなく、店内の黒板と壁に貼られた紙にズラリとメニューが書かれている。
メニューはどれも500円以下とリーズナブル。

黒板の一部には、
【とんちゃん気分やは煙の出るお店です】
【煙も美味しく召し上がっていただくための調味料のうちと考えます】
なるほど。
煙ね、今日はそんなの気にしない。

やはりここは、とんちゃんと生だろう。
それと、長芋焼きも注文。

「お待たせしましたー!」
「とんちゃんは召し上がったことありますか?」
焼き方をレクチャーされる。

温まった網にトングでとんちゃんを乗せると、空腹を更に加速させる音が鼓膜を揺らす。
ほどなくして味噌の香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、出た煙が頭を撫でて行く。
網の上ではとんちゃんがクルクルと丸まっていくが、それを制することなく、更にトングで網の上をコロコロと転がしていく。

あー、早く食べたい。
が、これも、とんちゃん気分やならではの楽しみ方。

「あ、もう良さそうですよー」
と、とんちゃん気分や店主。

では。
良い色に焼けて、すっかり丸まったとんちゃんを口に運ぶ。
熱い肉汁と弾力のある、ぷりぷりとした肉質。
味噌の濃さもちょうどいい。
冷たい生によく合う。

煙や臭いなど気にもならない。

「長芋は、タレを付けて焼いて、付けて焼いて、を繰り返してくださいね」
の言葉の通り、
【付けて焼いて】を3~4回繰り返して焼き進める。
先ほどの味噌とは違う、醤油の焦げた匂いがまた美味そうだ。

口に入れるとサックリとした歯脆さと、芋ならではのホクホク感が味わえる。
焦げた醤油が香ばしく、生がますます進む。

自分のペースで焼きながら、飲める。
いやー、うまい。

メニューは肉や魚介、野菜も美味そうなものが並ぶ。
種類としてはさほど豊富ではない印象だが、それでも食べてみたいものがたくさんあり、注文には迷う。
チャンスがあれば今回注文しきれなかったものを、またトライしたい。

煙を浴びながら食べるとんちゃん。
これもまたオツなものだ。
豊田市にお立ち寄りの際は是非オススメしたい。

店名:とんちゃん気分や
住所:愛知県豊田市大林町10-22-13
電話:090-1626-9208